【企画職向け】リモートワーク 議事録作成・共有ツールの選び方と活用法
リモートワークが多くの企業で定着する中、自宅での集中力維持やチームとの非同期コミュニケーションに課題を感じる方も多いのではないでしょうか。特に企画職の方々は、日々の会議で多くの情報を扱い、チーム内外との情報共有が重要となる一方で、そのプロセスに非効率さを感じているかもしれません。数あるリモートワークツールの中から、何を選べば良いか迷ってしまうこともあるかと存じます。
この記事では、リモートワークにおける情報共有の要となる「議事録」に焦点を当てます。議事録の作成や共有を効率化するためのツールの選び方と、企画職の業務に役立つ具体的な活用法をご紹介します。この記事を読むことで、会議で得た情報をチーム内で円滑に共有し、後から参照しやすい仕組みを作るためのヒントが得られるでしょう。
リモートワークにおいて議事録が情報共有に不可欠な理由
オフィスでの会議であれば、その場で決定した内容を口頭で確認したり、ホワイトボードにメモした内容を共有したりすることが比較的容易でした。しかし、リモートワークでは参加者が分散しているため、会議中の些細な発言や決定事項が、会議後に正確に伝わらないという課題が生じがちです。
議事録は、こうした課題を解決し、リモートワークにおける情報共有の質を高める上で重要な役割を果たします。
- 非同期での情報キャッチアップを可能にする: 会議に参加できなかったメンバーや、後からプロジェクトに関わるメンバーでも、議事録を確認することで会議の内容や決定事項を把握できます。
- 決定事項とアクションアイテムの明確化: 誰が、何を、いつまでに行うのかといったアクションアイテムを明確に記録することで、認識齟齬を防ぎ、次の行動にスムーズに移れます。
- 議論の経緯と背景の共有: なぜそのような決定に至ったのか、どのような議論があったのかを記録することで、後から内容を見返した際に意図を理解しやすくなります。
- 情報の蓄積と検索性の向上: 議事録を適切に記録・管理することで、過去の意思決定プロセスや情報を容易に検索・参照できるようになり、知識資産として活用できます。
議事録は単なる記録ではなく、チームの情報共有と意思決定の質を高め、非同期コミュニケーションの課題を補完するための重要なツールと言えます。
リモートワーク向け議事録作成・共有ツールの主な機能
現在、議事録作成・共有を支援する様々なツールが登場しています。一般的なツールに搭載されている主な機能は以下の通りです。
- 文字起こし機能: 音声認識技術を用いて、会議中の発言を自動でテキスト化します。これにより、手動での記録の手間を大幅に削減できます。(※完全な精度ではない場合があるため、校正は必要です。)
- 共同編集機能: 複数の参加者がリアルタイムで同じ議事録を同時に編集できます。各自が担当部分を記入したり、誤りを修正したりするのに役立ちます。
- テンプレート機能: 会議の種類(定例会、企画会議など)に応じて、あらかじめ項目が設定されたテンプレートを使用できます。これにより、毎回ゼロから作成する手間が省け、必要な情報の抜け漏れを防ぎます。
- タスク・アクションアイテム管理: 議事録内で決定されたアクションアイテムを、担当者や期日と共に記録し、タスク管理ツールと連携させる機能です。議事録の内容を行動に結びつけやすくなります。
- 検索・フィルタリング機能: 過去の議事録を特定のキーワード、参加者、期間などで検索したり、フィルタリングして必要な情報を見つけやすくします。
- 関連情報との連携: 議事録に関連するドキュメントやURLを添付・リンクさせることができます。これにより、議事録を情報ハブとして活用できます。
- 通知・共有機能: 議事録の更新があった際にチームメンバーに通知したり、特定のメンバーに共有したりする機能です。
これらの機能を組み合わせることで、議事録の作成から共有、そしてその後の活用までのプロセスを効率化できます。
企画職のための議事録作成・共有ツール選び方
数多くのツールの中から、自身のチームや業務スタイルに合ったツールを選ぶことは重要です。「多すぎてどのツールを選べばいいか分からない」という状況を解消するため、企画職の方がツール選定時に考慮すべきポイントをいくつかご紹介します。
- 使いやすさ: チームメンバー全員がストレスなく使える直感的な操作性であるかが最も重要です。特に新しいツール導入に慣れていないメンバーが多い場合は、シンプルなインターフェースのツールを選ぶと良いでしょう。共同編集機能の使いやすさも確認ポイントです。
- 既存ツールとの連携: 現在チームで使用しているチャットツール(Slack, Microsoft Teamsなど)やタスク管理ツール(Trello, Asanaなど)、ファイル共有ツール(Google Drive, Dropboxなど)と連携できるかを確認しましょう。連携できることで、情報の一元化やワークフローの効率化が進みます。
- 必要な機能の有無: 自動文字起こしが必要か、共同編集は必須か、タスク管理機能はツール内で完結させたいかなど、チームにとって必須の機能を洗い出しましょう。企画職であれば、アイデア出しのためのホワイトボード機能が組み合わさっていたり、情報を整理しやすい構造化機能があるとさらに役立つかもしれません。
- 検索性: 過去の議事録を参照する機会が多い企画業務において、強力な検索機能は必須です。キーワードだけでなく、参加者や日付、特定のタグなどで絞り込めるかを確認しましょう。
- 価格体系と導入ハードル: チームの人数規模に合った価格プランがあるか、無料トライアルやフリープランが提供されているかを確認し、導入のしやすさを検討します。簡単な登録ですぐに始められるツールであれば、試しやすいでしょう。
- セキュリティ: 会議内容には機密情報が含まれる場合もあります。ツールのセキュリティ対策が十分であるかを確認することも重要です。
これらのポイントを踏まえ、いくつかのツールを比較検討し、可能であれば無料トライアルなどを活用してチームで実際に試してみることを推奨いたします。
企画職のための議事録ツール活用術
議事録ツールを導入するだけでなく、その機能を最大限に活用することで、リモートワークにおける企画業務の効率と質を向上させることができます。
- 会議中のリアルタイム共同編集: 会議中に担当者を決めて、議事録ツールで同時に編集を行います。発言者が自分で要点を書き込んだり、他の参加者が決定事項を追記したりすることで、記録の正確性が高まります。企画会議などでは、出たアイデアをそのまま議事録に箇条書きしていくといった使い方も有効です。
- 決定事項・タスクのその場での明確化: 会議中に決定事項やアクションアイテムが出たら、その場で担当者と期日を議事録に明記します。タスク連携機能があれば、そのままタスク管理ツールに登録することで、抜け漏れを防ぎ、会議後すぐに各自が次の行動に移れます。
- 非同期での議事録レビューと補足: 会議終了後、議事録をチームメンバーに共有し、非同期でレビューや補足コメントを依頼します。これにより、会議に参加できなかったメンバーも内容を把握し、認識齟齬があれば早期に修正できます。チャットツールでの確認フローを設けるのも良いでしょう。
- 議事録を情報ハブとして活用: 議事録に関連する企画資料、データ、URLなどを添付したりリンクを貼ったりすることで、議事録をそのプロジェクトや議題に関する情報が集約された場所として活用できます。後から情報を探す手間が省けます。
- 議事録テンプレートの作成・活用: 定例の会議や、特定の種類の企画会議(例:市場調査報告会、新機能ブレインストーミングなど)には、決まった項目やフォーマットがあるかと思います。それらをテンプレートとして登録しておけば、毎回入力する手間が省け、議事録作成時間を短縮できます。
これらの活用法は、非同期コミュニケーションが多いリモートワークにおいて、情報の透明性を高め、チーム全体の生産性を向上させる助けとなります。
ツール導入をスムーズに進めるヒント
新しいツールの導入には、チームメンバーの協力が不可欠です。特に新しいツールの導入に戸惑いがあるメンバーがいる場合、以下の点を考慮するとスムーズに進むでしょう。
- 小さく始める: まずは特定のプロジェクトチームや、数人のメンバーだけで試用期間を設けて使ってみることを提案します。
- 導入目的の共有: なぜこのツールが必要なのか、どのようにチームの課題解決に役立つのかを明確に説明し、メンバーの理解と協力を得ます。
- 簡単な使い方の説明: 全機能を紹介するのではなく、まずは「議事録を作成して共有する」といった最低限必要な操作方法を簡単にレクチャーします。動画マニュアルなどを作成するのも有効です。
- 質問しやすい環境づくり: ツールに関する疑問や困りごとを気軽に質問できる場(専用のチャットチャンネルなど)を設けます。
- 活用ルールの策定: 議事録は誰が作成するのか、いつまでに共有するのか、レビュー期間は設けるのかといった、基本的な運用ルールをチーム内で合意しておくと、よりスムーズな情報共有が実現します。
まとめ
リモートワークにおいて、議事録は単なる記録ではなく、チームの情報共有を円滑にし、非同期コミュニケーションの質を高めるための重要なツールです。企画職の方々が抱えがちな「会議後の情報共有漏れ」「決定事項の曖昧さ」といった課題は、適切な議事録ツールの選定と活用によって大きく改善される可能性があります。
使いやすさ、既存ツールとの連携、必要な機能、検索性、価格、セキュリティといった観点から自チームに合ったツールを選び、リアルタイム共同編集やタスク連携、情報ハブ化といった具体的な活用法を試してみてください。ツールを上手に活用することで、リモートワーク下でも会議で得た情報をチーム全体で最大限に活かし、より効率的で生産的な企画業務を実現できるでしょう。